知っていますか?脳のクセ

brain-859329_1280.jpg

脳に関する本を読むことが好きです。自分のことを頭が悪いと思っているので、どうすればもっと頭の回転が早くなるのだろうとそのヒントを探しています。池谷裕二さんの書かれた『脳には妙なクセがある』によると、我々ヒトはほとんどの行動を無意識に反射的に行っているんだそうです。自分の意思で行っていると思っていたことが無意識だったなんて・・・ショッキングですよね。でも、そうであるなら脳の持つクセを知っておいたほうが良いはず。そうすれば残念な結果を少しは避けることができるかも。全部で26紹介されているクセの中から印象に残った3つを取り上げます。


1.脳は妙にブランドにこだわる


リパッティという音楽家がいます。1917年にルーマニアで生まれたピアニストです。彼の奏でる音は、一切の濁りがなく、どこまでも透明な水晶のようです。端正な演奏と峻厳なスタイルで人気を博しましたが、33歳という若さでこの世を去りました。残された演奏録音は少ないのですが、現在聴くことのできる遺品は、全てが驚異的な完成度を誇る絶品です。そんな貴重な音源に関して事件が起きました。ショパンのピアノ協奏曲の演奏です。その録音には、いつもながらの孤高なまでに洗練されたピアニズムがうかがえます。音楽評論家たちもこぞって「最高のショパン演奏」と絶賛し、LPはクラシック音楽界のロングセラーとなりました。ところが、発売から数十年が経ち、意外な事実が判明します。なんと、その録音はリパッティのものではなかったのです。


「5種類のワインを飲み比べて欲しい」と依頼し、試飲前に各ワインの価格を教えます。しかし、実際には、3種類のワインしか用意されておらず、その中から適当に5回選んで渡し、飲んでもらうだけ。教える値段もデタラメなものです。そんな詐欺のような実験。どんな結果が出たかといえば、教えられた価格が高ければ高いほど、内側眼窩前頭皮質(快楽を生み出す部位)が強く活動するという明快なものでした。食事の「美味さ」は含まれる化学分子だけで決まるのではありません。「高級料理を食べている」という実感もまた鍵を握っているというわけです。


「芸能人格付けチェック」とか見てても、本当に分かるヤツはいるのか?って感じですもんね。てか、そもそも違いが分からなければいけないとも思わない。美味けりゃいいし、自分が満足していればそれでいいと思います。ただ、ヒトはブランドや権威にすこぶる弱いっていうことを頭のどこかに留めておくだけで高級シャンパンなんかに手を出すことはなくなるでしょう。


2.脳は妙に勉強法にこだわる


ワシントン大学の学生を多数集めて、スワヒリ語40個を暗記する試験を行いました。しかし、名門大学の学生とはいえ、40個を一回で覚えることはほぼ不可能です、そこで何度も繰り返し覚えてもらいます。この時、学生たちを四つのグループに分けて、別々の方法で暗記してもらいました。


グループ1


40個全て学習 → 確認テスト(40個全て) → 40個全て学習 → 確認テスト(40個全て)


グループ2


40個全て学習 → 確認テスト(40個全て) → 覚えていない単語だけ学習 → 確認テスト(40個全て)


グループ3


40個全て学習 → 確認テスト(40個全て) → 40個全て学習 → 覚えていない単語だけ確認テスト


グループ4


40個全て学習 → 確認テスト(40個全て) → 覚えていない単語だけ学習 → 覚えていない単語だけ確認テスト


面白いことに、この四つのグループには習得の速さには差はありませんでした。実際、5、6回も学習を繰り返すと、全員が40個全てを覚えることが出来ました。そこでカービック博士らは、一週間後に再テストを行うことにしました。さて、成績はどうだったでしょうか?グループ1と2は約80点と好成績であったのに対し、グループ3と4はともに約35点しか取れませんでした。


すぐに覚えることができた単語もアウトプットしなければ忘れてしまうという実験ですね。僕達も入試の時に必死に覚えた英単語をすっかり忘れてしまっているので見に覚えはあるのではないでしょうか。入力よりも出力を意識することで記憶を強化できるということは肝に銘じておきましょう。


3.脳は妙に不自由が心地よい


電話会社には使用者がいつどこに居たかというデータが詳細に保管されています。博士らは5万人の使用履歴を3ヶ月に渡って調べ上げ、各人の移動のエントロピーを算出しました。エントロピーとは無秩序さを表すパラメーターです。調査の結果、エントロピーはわずか0.8ビットであることがわかりました。つまり、居場所の不確実性は1.74(=2の0.8乗)と、驚くほど少ないのです。大雑把にいえば、日頃の行動パターンを知っていれば「ある人が今どこにいるか」を平均2ヵ所以内に絞ることができるというわけです。次に博士らは、ファノ不等性係数を計算しました。ファノ不等性係数とは、どこまで正確にヒトの移動パターンを言い当てることができるかという予測率のことです。なんと、平均93%という数値がはじき出されました。不規則な生活パターンをしている人でさえ、80%を下回ることはありません。つまり、私たちの行動は、80%以上はおきまりの週間に従っているというわけです。私たちは意識上では極めて自由に行動しているつもりであっても、現実には、本人でさえ自覚できないような行動のクセがあって、知らず知らずに活動パターンが常同化しています。


見に覚えありますね。例えば、通勤ルートとか帰宅ルートとかって、毎日ほぼ同じじゃないですか?通勤のルートを変えると遅刻の心配があるから慣れた道を通るってのは分かるけど、帰宅時はそんなリスクないですよね。それにも係らず、同じような道を通って帰る。脳が無駄なエネルギーを使わないようにしているんでしょうか。慣れていない道ではずっと警戒していないといけませんから。おきまりの行動パターンというとネガティブに聞こえますが、一概に悪いこととは言えないのかもしれませんね。


まとめ


5〜6年の間に雑誌やネット上に書き溜めた100本ほどのエッセイをまとめた本書。それだけの数が収録されているので1本1本は内容が薄いです。しかし、多くのデータが出典とともに紹介されているので気になったものは原典にあたることもできます。とりあえず、「教育番組を見た時に分泌された汗とセクシービデオを見た時に分泌された汗は無意識に区別される」という実験の論文を読んでみようと思っていますw 浮気がバレるのは女の勘じゃなくて、男の匂いだった!


それはそうと・・・こちらの本もおすすめです。


関連記事

この記事は参考になりましたか?

Sponsored Link