成功も失敗も自分で背負うということ 〜羽生善治著「決断力」を読んで〜

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昼飯を食いながらkindleで読書をするのが日課になっています。色々な本を読みますが、最近はよく棋士の方が書いた本をよく読みます。いくら目を凝らしても見えなかったものが、あるレンズを通すとよく見えることがあります。メガネと一緒ですね。棋士の方が書いた本ではそのレンズが将棋。先日は羽生善治さんの「決断力」を読みました。印象に残った箇所がいくつもあったので備忘録的にまとめておきたいと思います。



1.集中力について


私が深く集中するときは、スキンダイビングで海に深く潜っていく感覚と似ている。  一気に深い集中力には到達できない。海には水圧がある。潜るときにはゆっくりと、水圧に体を慣らしながら潜るように、集中力もだんだんと深めていかなければならない。そのステップを省略すると、深い集中の域に達することはできない。焦ると浅瀬でばたばたするだけで、どうもがいてもそれ以上に深く潜っていけなくなってしまう。逆に、段階をうまく踏むことができたときには、非常に深く集中できる。


将棋には「ここぞ」という勝負どころがある。  そこで集中できるかどうか。集中力を活かせるかに勝負の行く手はかかっている。決まり切った局面で長考して時間を使って疲れるより、勝負どころの場面で深い集中力を発揮できることが大切である。

難解な中盤〜終盤でじっくり考えるためにも序盤の定跡などはしっかり勉強して、無駄な時間を削った方がいいってことですね。私は中飛車しか指せません。今年の目標は将棋ウォーズで1級ですが、それには他の戦法も勉強する必要がありそうです。



子どもは、好きなことなら時間がたつのも忘れてやり続けることができる。本当に夢中になったら黙っていても集中するのだ。集中力がある子に育てようとするのではなく、本当に好きなこと、興味を持てること、打ち込めるものが見つけられる環境を与えてやることが大切だ。

今日で結婚して1年が経ちました。私のような未熟者でもいずれ親になるのでしょう。この点は親として子どもにできるかぎり力を尽くしたい。



2.リスクについて


リスクの大きさはその価値を表しているのだと思えば、それだけやりがいが大きい。そちらに目を向ければ、挑戦してみようという気持ちも起きてくるのではないだろうか


日本の社会は、同質社会ということもあって、このバランスが悪いと思う。リスクを負わない人がいる一方で、リスクだけ負わされている人がいる。決断を下さないほうが減点がないから決断を下せる人が生まれてこなくなるのではないか。目標があってこその決断である。自己責任という言葉を最近よく聞くが、リスクを背負って決断を下す人が育たないと、社会も企業も現状の打破にはつながらないであろう


二人の剣豪が決闘を始めたとする。立ち合ったときは距離が離れているが、間合いを詰めていって勝負が決まる。お互いに離れていては勝負がつかないから、前へ進まなくてはいけない。前に進むとそれだけ危険が迫る。怖いから下がりたい気持ちになるだろうが、一歩下がっても、相手に一歩間合いを詰められるだけだ。状況は変わらない。逆にいうと、下がれば下がるほど状況が悪くなるのだ。怖くても前へ進んでいく、そういう気持ち、姿勢が非常に大事だと思っている

ウィリアム・ジェームズという心理学者の「苦しいから逃げるのではない。逃げるから苦しいのだ。」という言葉を思い出しました。自分で決断しないという決断も1つの決断ですが、それだと成功の喜びも失敗の悔しさもないですよね。僕は自分の行動に責任をもって、成功した時には天狗になって、失敗してその鼻を折られて・・・ってことを繰り返す人生を送りたい。



3.勝負について


「手が見える」ことが過信に結びつくこともありうるが、不利な局面でも諦めずに、粘り強く淡々と指していくことが、勝負のツボを見いだすポイントになり、逆転に必要な直感や閃きを導き出す道筋になると私は信じている


流れは人為的に支配できるものではない。対局中にはいろいろなことを考えるが、思ったとおりにはならない。思いがけない展開になってしまう。流れをつくるよりも、サーフィンのように流れにのっていく。波はつくれないが、乗れるかどうかだ


基本は、自分の力で一から考え、自分で結論を出す。それが必要不可欠であり、前に進む力もそこからしか生まれないと、私は考えている。


相手が妥協してきたときは、こちらも妥協する。そこで自分だけ突っ張ると、じっくりと構えられて息切れになったり、駒組みに穴ができたり……まずい展開になることが多い。

クレーマーのことを思い出しました。クレーマーってこちらが代替案を出しても飲まないんですよね。そうなると「こちらももう交渉自体しませんよ」っていうことになってくる。自分の主張を突き通すことで自分の首を絞めることになる。どちらが得か、どちらが損か。たった3手先を読むだけで馬鹿な行動は避けられる。欲張らないことが大事ってことですな。

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